エヌ氏の遊園地

星新一大好きです|д゚)

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

はいよる

彼らは這いよる 元々生存に向いているような場所ではないのだろうけど 彼らは懸命に生きることのできる場所を探す 彼らは這いよる そうすることで彼らの祖先も生き延びてきたのだ 彼らはシンプルであり粘り強い その在り方は我々人間も見習うべきかもしれぬ

かさなりは

連理比翼のように 寒さから互いに守りあうように 重なっている その甲斐あってか彼らだけはいまだに枯れずにいている その様子は誠に美しく 紅葉を見に行ったはずの僕の心を強くつかみ取った あぁ、僕もあの葉のように在り方を重ねることが出来る人と 出会う…

あいかたばし

彼らは二対で在る 彼ら本来ならば、それぞれが独立しており ひとかどの奴、なんて言われてもおかしくないが 近くにあるからこそ、対でなければならぬ それを悲しいことだと、不幸だと思うだろうか? 否、彼らは対で存在するからこそ、片方だけでは得ることが…

よるがおりて・・・

夜が降りてくる 這いよるように迫っており 気が付くとそれはすぐそこまで迫ってきているのだ だが、それは妖しく美しい 思わずほぉと見惚れてしまい 日々の忙しさもどこかに落としてきてしまい のんびりと惚けてしまうのだ そして惚けた僕を夜はあっという間…

だるまさん

だるまさんがみてる めっちゃみてる みっちりとつまっている 彼らは祈られて、体に文字を刻まれ その願いが届けば片目を入れられる そして此処に捨てられたのだ だるまさんがみてる じぃとみてる 無表情に じぃとみてる

あかとびら

長い長い路地を進んでいくと 目の前には我の強いあかいとびらがあった それは暗い路地から見つめているとかくも魅惑的であり そちらのほうにふらりふらりと歩いて行ってしまう 光によって行く虫のように カレーの香りにつられる部活帰りの少年たちのように …

せんろ

仕事に、人生に疲れた僕は線路をじぃと見る なに、人生をやめようというのではない ただ見惚れているだけだ 彼らはまっすぐである 彼らは愚直である 毎日、決まった時間に走る列車を支える縁の下の力持ち いぶし銀な男前である 線路を見ていると 僕の人生も…

ひとりきのこ

かれはぽつんと生えていた 周りに仲間もおらず、いても小さなものだけ 彼と同じ背丈のものはおらず 人間で例えるならば、ぼっちというやつであろう だがそんなことをものともせず彼は飄々と伸びていっている 彼は孤独なれど、一面の緑の中で唯一のきのこであ…

かんらん

観覧車がキィキィと音を立てたような気がした 遠目から見ていると、少し一瞥しただけだと まるで動いていないかのように錯覚するそれは じぃっと眺めていると ゆっくりとではあるが確実に動いている その動きは、まるで僕の在り方を肯定してくれているかのよ…

ものびる

ビルが聳え立っている その鋭角で真っすぐなさまは すぐに横道にそれがちな僕を糾弾するかのようであり 恐ろしくもありながらも目をそらすことができぬ 急な寒に見舞われた木々はすでに冬の装いとなっており 寒さは一層加速していく 冬はすぐそこまで来てい…