エヌ氏の遊園地

星新一大好きです|д゚)

うみぼう

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まるで待ちくたびれた子供が地面に均等に木の枝を指していくが如く

巨人がポツポツと埋め込んだように均等に並んでいる。

まるでそこには町があり、人がいたのだけれと海の底に沈んでしまったかのような寂寥感が漂う。

 

そんな寂しさを伴う非現実的空間においても、向けられるのは好奇の目でしかない。

いつかどこかで海に沈む出来事が起きるかもしれない、けれども起きないかもしれない。

そんな「かもしれない」という不気味な思いを胸の底に感じながらも、人はただただぼんやりと巨人の並べた電柱を眺めるのだ。