エヌ氏の遊園地

星新一大好きです|д゚)

あんどん

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あんどん、ランプ・・・言い方は色々あれど

それは行き先を照らす杖であり、目的地を示す光の玉でもある

だがそれも夜の話

 

昼はひっそりとその存在を隠す

まるで己はなきものであるかのように黙して語らぬ

それでもその存在感はいつも僕の目の端に留まり

心はその光を求めてふらりふらりと近づいていくのだ

おいなりさん

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神社でよく見る二対の狐

稲荷社を守るその様子は様々である

 

こちらの社の狐はすらりとスマートでクロヒョウを思わせるようなたたずまい

台風だろうと、寒かろうとその精悍なあり方は

知らず知らずのうちに僕の背筋をピンとさせる

 

悲しいかな僕は人間の癖に背中には猫を宿しているのだ

丸い背中を直さねばという決意とともに稲荷社を後にした

さんどう

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仲見世の参道は真っすぐに続く

この道は人の目を楽しませ、お金を落としていく道でもあるけれど、

自身の心の整理をつけるための道でもあるはずだ

 

故に真っすぐであり

長く

そして見通しがよいのだ

 

本殿が見えてくるにつれて

何を祈り、自身に誓うのかを考える

己を整理するための道でもある

白と黒

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暗い道の向こうに白い壁に扉が見える。

それはさながら、今の自身の境遇を表しているようである。

明かりがまぶしく、直視するのもはばかれるようでありながら、目をそらすことが出来ない。

 

あぁ、この暗き道から飛び出て光の壁に羽虫のように真っすぐに向かえればよいのに!

そのように思い詰めながらも、僕はまた黒い壁に沈んでいく。

決死の覚悟、それこそが僕にかけたものである。

 

 

 

ひとりとり

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彼は孤独に佇んでいる

光の海の中で

光の空の中で

 

背をピンと伸ばし、空をキッと睨んでいる

その鋭さ

その雄々しさ

その美しさ

 

ただの鳥だというのに、僕には眩い宝石のように思えた

そんな宝石を撮影する僕の姿は浅ましく

少しでも近くに行こうと首を伸ばし

背中を曲げ

つま先でフルフルと震えながら撮影している

他人には見せたくない姿

そんな僕だからこそ心惹かれたのかもしれない

ちくたく

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ちくたくちくたく

時計は時間を刻む

時計ごとに遅い早いの差はあれど、懸命に時を刻む

 

腕時計にしては珍しく秒針の音がする

それはリズムの均等さは僕の心の平穏に大きく寄与し

徐々に、意識をさせないように、僕を穏やかな夢の世界へと導いていく

 

 

数十分後、目を覚まし、慌てて家から去る準備をする

均等だった秒針の音は僕を追い立てるかのように足早にチッチッチと刻み続ける。

到底、あの時の優しい声と同じものだとは思えないのだ

鳥居山

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一つ一つの大きさは小さいものなれど、

その数は計り知れず、山の如し。

大きな鳥居とはまた別のスケールの大きさに、僕は目を奪われる。

 

 

小さいのと大きいのとどちらがいいのだろうか?

神域を示すことが目的の鳥居にいいも悪いもないのかもしれない。

ただ、ここにある赤い山は訪れた人の願いの山なのだ。

その山は純粋な祈りの山なのか、欲望の山なのかはまた別の話である。